後輩から質問を受けたとき、
以前のように「これが正解」と
迷わず答えられなくなった――
そんな違和感を覚えたことはありませんか。
分からないわけではない。
経験が足りないわけでもない。
それでも、
はっきりとした答えを返すことに、
どこかためらいが生まれる。
この感覚は、
指導力が落ちたからでも、
自信を失ったからでもありません。
多くの場合、
仕事の見え方が変わったことで起きています。
以前は「正しい答え」が確かにあった
経験が浅い頃は、
後輩への返答も比較的シンプルでした。
・手順はこれ
・注意点はここ
・迷ったらこの方法
自分自身も、
そう教わってきたし、
それでうまく回ってきた。
正しい答えを伝えることは、
親切であり、
指導としても分かりやすかったはずです。
でも、経験を積むほど答えが一つに定まらなくなる
中堅と呼ばれるようになる頃から、
質問の質が少しずつ変わります。
・状況によって対応が変わる
・相手によって正解が違う
・どれも間違いとは言えない
そんな場面が増えていきます。
その結果、
以前のように
「これが正解」と言い切ることに、
違和感が生まれます。
これは迷いではなく、
判断が立体化した状態です。
「間違えさせたくない」という気持ちが強くなる
後輩に答えを返すとき、
自分の一言が、
その人の行動を大きく左右することを
強く意識するようになります。
・この言い方でいいだろうか
・別の選択肢もあるのではないか
・失敗させてしまわないか
そう考えるほど、
軽々しく答えを出せなくなります。
正しい答えを返せなくなったのは、
責任を感じ取れるようになったからとも言えます。
答えを返せないのは、指導を放棄したからではない
ここで大切なことがあります。
後輩に「正しい答え」を返せなくなったのは、
指導を投げ出したからではありません。
むしろ、
- 現場の複雑さを理解している
- 一つの正解が危ういことを知っている
- 相手の状況を考えられるようになった
その結果として、
言葉を慎重に選ぶようになっただけです。
これは衰えではなく、
立場が変わった証です。
何かが変わり始めているサインとしての違和感
この違和感に直面すると、
多くの人が戸惑います。
「教える側として失格なのでは」
「もっと勉強が必要なのでは」
けれど、
この段階で必要なのは、
すぐに新しい答えを用意することではありません。
まずは、
自分が、
どんな前提で後輩に向き合ってきたのか
それが変わり始めていることに、
気づくことです。
まとめ|答えを出せなくなったのは、見え方が変わったから
後輩に「正しい答え」を返せなくなったときの違和感は、
あなたが未熟になったからではありません。
仕事の複雑さと重みを、
以前より深く引き受ける位置に立っただけです。
急いで答えを取り戻さなくていい。
無理に以前の指導像に戻らなくていい。
この違和感は、
立場を言語化し直す時期に入ったことを、
静かに知らせているサインなのだと思ってもらえたら十分です。
中堅と呼ばれるようになってからの違和感や立場の揺れを、まとめて整理したページはこちら
👉介護福祉士5年以上、中堅と呼ばれるようになってから考える「自分の立場」|役割を言語化する時期
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