この記事は、
「どの事業所を選べば正解か」を書くものではありません。
介護未経験で事業所を探していたとき、
私は最後まで「ここだ」と思える場所を決めきれませんでした。
それは情報が足りなかったからでも、
覚悟が足りなかったからでもなかったと、今は思っています。
ただ、判断の前提になるものが、自分の中にまだ無かった。
この記事では、その状態を整理して言葉にしてみます。
事業所を探していたとき、いちばん強かった感覚
求人サイトを見ていた頃、
いちばん強かったのは「よく分からなさ」でした。
情報はたくさんあるのに、
多すぎて、逆に選べない。
条件を比較すればするほど、
決められない自分に情けなさを感じていました。
「社会人としてやってきたのに、
こんな大事なことも決められないのか」
そんな気持ちが、ずっと残っていました。
事業所選びには、最初から分岐が埋め込まれている
今振り返ると、
事業所選びで迷っていた理由は、
最初からいくつもの分岐の前に立たされていたからだと思います。
- 高齢者か、障害者か
- 入所か、通所か
この分岐ごとに、
仕事内容も、責任の感じ方も、
働くイメージも、まったく違っていました。
高齢者×入所で感じていたこと
「高齢者の入所施設」と聞いて、
真っ先に思い浮かんだのは特別養護老人ホームでした。
そのイメージの多くは、
テレビでたまに流れるニュース映像やドキュメンタリーから来ていたと思います。
ただ、
そこで働く自分の姿は、まったく想像できませんでした。
介護の仕事がどんな一日なのか。
現場で何が起きていて、
自分は何を担う立場になるのか。
情報としては調べられても、
実感としての輪郭がどうしても掴めなかったんです。
それ以上に引っかかっていたのは、
「人の命や人生に、日常的に関わる責任を自分は背負えるのか」という感覚でした。
失敗できない仕事。
判断を誤れば、取り返しがつかないかもしれない仕事。
その重さを前にして、
簡単に「やってみよう」とは言えませんでした。
一方で、これまでの社会人経験から、
「仕事としては、何とか務まるのではないか」という現実的な感覚もありました。
その
できそうな自分と
背負いきれないかもしれない自分の間で、
判断はずっと止まったままでした。
高齢者×通所で感じていたこと
通所施設に対しては、
レクリエーションが多い、という印象が強くありました。
入所と比べると雰囲気は明るく、
介護度も低く、
どこか「楽しそう」「穏やかそう」というイメージ。
正直に言えば、
身体的な負担は少なそうで、
仕事としては“楽そう”にも見えていました。
ただ同時に、
給料が低そう。
経験が積めなさそう。
そんな感覚も、頭のどこかにありました。
自立している人が多い分、
「介護職としての軸がここで育つのか」という不安。
楽そうに見えるけれど、
この選択でいいのかという確信は持てない。
かといって、
「違う」と言い切る理由も見つからない。
選びきれず、
外すこともできず、
ここでも判断は宙に浮いたままでした。
障害者×入所で感じていたこと
障害者の入所施設については、
他の分野とは少し違う感覚がありました。
自分なりに学び直したい。
きちんと理解した上で、支援に関わりたい。
そんな思いが、比較的はっきりしていました。
重度の障害のある人の支援に関わりたい。
簡単ではないことは分かっているけれど、
それでも向き合いたい。
その気持ちは、迷いながらも確かにありました。
もちろん、
利用者を本当に理解できるのか。
支援の難しさに耐え続けられるのか。
不安がなかったわけではありません。
それでも、
ここで働く自分の姿だけは、なぜか想像できていた。
覚悟が決まっていた、というより、
「向き合う覚悟を持てそうだ」と感じられた分野でした。
障害者×通所で感じていたこと
障害者の通所施設には、
教育現場や就労支援に近い仕事がある、というイメージがありました。
全体的に、
前向きで、明るく、
成長や変化に関われそうな印象。
仕事としての意味は感じられる一方で、
給料が低そう、という不安は強くありました。
「やりがい」と「生活」が
ちゃんと両立できるのか。
この選択でいいのかどうか、
正直なところ、よく分かりませんでした。
障害分野全体に対する
支援の難しさへの迷いと、
自分の人生としての選択への不安。
その二つが重なって、
ここでも決断には至りませんでした。
何を基準に選ぼうとしていたのか
当時の自分が、
はっきり基準として持っていたのは、
自分の生活が成り立つ給料でした。
介護や支援の中身は分からない。
だからこそ、
一番分かりやすい「給料」で判断しようとしていました。
今思えば、
基準を持てる状態ではなかったのだと思います。
最初の事業所選びで立ち止まるのは、特別なことじゃない
未経験で、
仕事内容も責任の重さも分からない状態で、
事業所を一つに決める。
それが難しいのは、
自然なことだったのだと思います。
迷っている状態は、
失敗でも、弱さでもありません。
今すぐ決めなくてもいい、という選択
今、同じように事業所選びで止まっている人がいたら、
私はこう返したいと思います。
「どこを選ぶか」より前に、
自分はこの仕事のどこに価値を感じたいのか。
その答えが、
まだ言葉になっていなくても大丈夫です。
まとめ
事業所を選べなかった時間は、
無駄な時間ではありませんでした。
判断できなかった自分も、
その時点の「現在地」だったのだと思います。
今は、ここで立ち止まっていても大丈夫です。
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